日本にはまだひとつだけ見世物小屋の興行をする会社があるらしい。
それが見られるという話を授業で聞いたので、靖国神社のみたままつりへ行ってきました。
御茶ノ水から歩いて行くと九段下の駅前からすごい人。
参道の中に入るともっとすごくて、満員電車みたいな感じだった。
少し進むと派手に悲鳴がきこえてくる。そちらへ向かって行くとお化け屋敷がありました。
お祭に出てるお化け屋敷ってはじめて!中高生の女の子たちの悲鳴がひっきりなしにする。
客引きでマイク越しに喋っているおばあさんがすごくいい。
私もこわいもの見たさで中に入りました。ちょうど混んでいる時で、前の人に続いて行ったので前のお化けがもう見えてたりして、でもいきなり動き出してびっくりしたり、おもしろかった。出口のドアはお化けが開けてくれた。
そしてその隣にありました。見世物小屋。
この色とりどりの小屋、うさんくさい感じの絵、ヘビ女をうたう口上。
大寅興行社のヘビ女(というか悪食)小雪さんと、デリシャスウィートスという一座のショウを一緒に見ることができる。
デリシャスウィートスのお姉さんたちかわいかった。バックバンドもいい。歌って踊ってマジックや芸をやる、でもなんだか異様な感じ。
小雪さんはYoutubeで何度か見たことがあったけどすごい美人。真っ赤な着物というか襦袢みたいなのを着て、にこにこヘビを食べる。
舞台の写真はなんだかもったいないような気がして撮れなかった。
ヘビは何匹も捕れないようで使い回しをするので、生きたヘビを食べるところが見られるのは一時間に一度もないそう。ちょうど私たちが見終わって出た次の回にそれがあるようだったので二回目を見てしまいました。
「なにこれダルい」とがっかりする男の子やら、嬉々としてカメラを向ける女の子やら。しかしこれはなんというかもっと後ろめたさみたいなものを感じながら見るもんだよ多分。できるならこれをトラウマにして育ちたかった。
だんだん暗くなってきて、提灯が明るくなり始める。
こんな風に個人や団体の名前が入った提灯がずらりとあって、その奥へ行くと俳優や政治家や色んな人が絵や文字を書いたものが並んでいる。
そこでやっと、ああここは靖国なんだということを思い出した。私は戦争を知らなくて、ここにいる人の大半もそうだろうと思って泣いてしまった。
戦争を知らないことに対する憤りでは全くなくて、私たちが平和で幸せであることや生命の尊さというか。
「戦争の経験を後世に伝えていかなきゃいけない」、それはもちろんだと思うけれど、そういう意識がなければ知ることができないってすごく幸せなことなんだと思う。
国のために戦った人、亡くなった人のおかげなんて簡単には言えないけれど。
いまこれだけたくさんの人が集まって純粋にお祭が楽しめる。靖国神社だから行こう、と考えた人はどれくらいいただろうか。みんな幸せでお祭を楽しめる、日本はそんな国になりました。
その一方でこれだけの提灯に名前が寄せられていて、忘れまいとしている人たちがいる。
ああ見えますか、私たちは幸せに暮らしています。
うまく言葉にできないけれどそんな風に感じた。
ねぶたも阿波踊りもなぜここで!と思ってしまったけれど、そういうことだよね。
みたままつりは今日まで。それではよい祝日を。